もう十月も中旬に差し掛かり、朝晩冷え込むようになりました。
昼間のお仕事の方は、仕事帰りに、夏はまだ明るくてスポーツや
どこかに寄り道しようかなと思うこともあったでしょう。
ところが今では、仕事が終わる頃には真っ暗。
急いで家に帰らねばと思ってしまいませんか。
そんな季節にありがちなのが「秋うつ」。
春から夏になろうという5月に「5月病」という、
うつのような症状がでる病気がありますが、
夏から秋になろうという気温が下がり始める時期にも
そのような状態になる「秋うつ」というものがあります。
「秋うつ」とは
人間には自律神経というものがありますが、
秋になると日照時間が短くなり、
日光を浴びる時間が自然と減ってしまいます。
浴びる日光が減ることで、「セロトニン」という脳内の
神経伝達物質の生成が減ります。
うつ病は、この「セロトニン」という物質との関係が深く、
夏から秋になり、気温の寒暖差によって自律神経が強い
ストレスを受け、セロトニンの働きが鈍くなると、
「うつっぽい?」という体調になります。
セロトニンの働きが鈍くなるというのは「うつ病」と
同じ状態ですので、うつ状態と同じような状態になります。
「うつ状態」とは
- 気分が落ち込む
- 気力がわかない、元気がでない
- 趣味や好きなことに興味がわかなくなる
- 疲れた感じがしてだるい
- 人に会うのが億劫になる
- 焦燥感が強まる(そわそわして落ち着かない気分になる、イライラする)
- 泣きたくなる
- 寝付けない
など様々な症状が現れますが、秋に現れる「秋うつ」には
これ以外に特徴があります。
「秋うつ」の特徴
秋になり、うつ状態のほかにでる「秋うつ」の特徴は
- 過眠 秋になり夜が長くなって、しっかり睡眠をとったのに、翌日の昼間も眠気に襲われたり、何時間寝ても寝続けられる。
- 過食 食欲の秋とはいいますが、甘い物(チョコレートなど)や炭水化物を取り過ぎるようになります。もちろん体重も増加します。
「秋うつ」になると疲労感や倦怠感から運動量が減り、甘い物を食べ過ぎて肥満になる方もいます。
また、過眠により活動時間に乱れが起こり、昼夜逆転の生活を起こし、生体リズムが壊れてしまう方もいます。
その結果、規則正しい生活ができなくなる方もいます。
この「秋うつ」は、個人によって出たり、出なかったり、
症状が重かったり、軽かったりします。
症状の重い方はそのまま「うつ状態」が続き、
「うつ病」になってしまうこともあります。
また「秋うつ」をそのまま引きずってしまうと、
春に軽い「躁状態」になる方もいるそうです。
一過性かもしれない「秋うつ」ですが、予防やなってしまった場合は何かしら対処しなければなりません。
「秋うつ」の予防と対処法
- 意識して日光を浴びる
「秋うつ」の原因は日照時間が短くなったことによるセロトニンの減少です。
起床後、意識的に日光に当たるようにしましょう。
日光に当たるといっても、そんな時間的余裕がない方はカーテンを遮光性の低い物にしたり、
夜、カーテンを開けておくという方法もあります。
朝晩冷え込んできたのに、カーテンを開けておくのはちょっと・・・というかたは
リビングの電気を明るいものにし、朝起きたら明るい電気をつけて過ごすという方法もあります。
- 定期的な運動をする
ウォーキングなど、一定のリズムを伴う運動を1日20分程度
続けると、
セロトニンが分泌されやすくなるといういわれています。
20分程度ですので、都会でしたら一駅分歩いてみたり、
昼休みに日光浴を兼ね屋外で歩くものいいと思います。
運動することで、心身のコントロールに欠かせないドーパミンという神経伝達物質の働きが活発になり、
落ち込んだ気分を軽減させる効果もあります。
- 食事の見直し
乳酸菌によりセロトニンの放出が促進され、ストレスや
不眠解消につながるという研究結果もあります。
セロトニンを増やすには、脳に運ばれるセロトニンを
生成する働きをするトリプトファンという成分が欠かせません。
そのトリプトファンを多く含むヨーグルトやチーズ、味噌、
キムチなどの乳酸菌の多い食品を摂取すると良いと言われています。
この食事の見直しは、「秋うつ」だけではなく、うつ病の方の
普段の食生活のなかで取り入れていくのが理想的ですね。