近年はいままでにない猫ブーム。
猫を飼う人が増え、猫カフェが人気を集め、
猫が駅長になってPRなど、猫の経済効果は大きくなっています。
幸せそうな猫の映像をたくさん目にしますよね。
その一方で悲しい出来事もたくさん起きています。
そのことを知って欲しいので、書きます。
多頭飼育崩壊とは
多頭飼育崩壊(たとうしいくほうかい)とは、
「ペットの動物を多数飼育した飼い主が、無秩序な飼い方による異常繁殖の末、飼育不可能となる現象。」
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
猫を完全室内飼いにする慣習のない田舎では、比較的起きている悲しい出来事です。
近所で起きた多頭飼育崩壊 ケース1件目
私の家の近所では猫の多頭飼育崩壊が2件あります。
1件目の事例を紹介します。
飼い主が死亡。飼い主がいたときは外飼いとはいえ、専用の小屋があったり、冬には炬燵が用意されていました。
気性の荒い犬(中~大型犬)も飼育しており、子猫を襲ってしまうため、
敷地を区切り猫が襲われないよう策を講じた上で、犬を放し飼い。
しかし、飼い主が死亡し、空き家になってしまうので、息子夫婦が入居し、犬は係留して飼育されるようになり、
外飼いの猫は、捕まえられる猫には去勢や避妊手術を受けさせました。
子猫で親猫が分からず放置されてしまった乳児2匹は人工哺乳で室内で飼育することになりました。
とはいえ、全部で20匹を超える猫がいました。
多数が近所へ散り散りになりました。
そのころ、我が家には6匹の生まれて数時間の子猫をつれて雌猫が現れました。
母猫はおそらく体の成長程度から推測するに、大きくみて1才。小さく痩せ細っていました。
その体で6匹もの子猫をどこかで生んだのでしょう。
猫は出産したところに長くはとどまりません。
出産時の匂いや汚れが残っており、雄に襲われる可能性があるため、数時間で引っ越します。
子猫は大きさに個体差があり、母猫も栄養状態が悪そうなので、我が家で一時的に保護することにしました。
ところが、人間に見つかってしまったため、母猫は子猫を別の場所へ連れていってしまいました。
我が家でも猫を飼っていたことがあるので、猫の習性は把握していました。
農村地帯なので、人間が来ないところがたくさんあるのに、常に人がうろうろしている我が家の物置にきたということは、
人間に慣れていて、人間に助けて欲しいと思っているということだと私は判断しました。
母猫に餌を用意し、話しかけてみました。
「赤ちゃんはどこにいったの?」「ご飯あげるから、赤ちゃんと一緒に戻っておいで」
そう話しかけ続けると、餌をもってこっちにこいと私を誘導するのです。
すると、別の猫の多層飼育崩壊して飼い主が引っ越してしまった家の玄関先に山積みになっているドライのキャットフードのとなりのお皿で食べるというのです。
その皿ではゴキブリが食事中だったので、その皿の隣に持っていた皿ごと餌をおき、
「食べたら、子猫を連れてくるんだよ」
そう言って私はその場を離れました。
すると、1時間もしないうちに、
母猫が子猫を我が家の物置に運んできている様子でした。
途中でのぞいたら、取り残される子猫がいるかもしれない。
はやる気持ちを抑えて朝まで待ちました。
朝、物置を覗くと、きちんと子猫を連れて戻ってきていました。
物置には竈(かまど)があるのですが、竈のなかに子猫を隠しているので、すすにまみれていますが丸見えなのです。
下手に手を出すとまた子猫をつれて出て行ってしまう可能性があるため、見て見ぬふりをしました。
すると数日でまた子猫を物置の別の隠れられるところへ引っ越しました。
子猫たちはそんなことはお構いなしで、よたよたと歩くようになり、新米の母親の手に負えなくなりました。
彼女なりに考えたのでしょう、母猫は狭いところで子猫を縦に積み上げて縦に座った状態で授乳するようになりました。
残念ながらその状態を続けた結果、1匹の子猫が命を落としました。
子猫の発育も悪く、母猫の育児も上手でないので、
ダンボールのなかでの育児を教えてあげました。
ダンボールからよじ登って出てこられる程度に成長した子猫は、そろそろ離乳が可能そうですが、
抵抗力がないのか、皮膚病にかかっていたため、
母乳の他に哺乳瓶でミルクをあげ、朝夕の消毒をし、どうにかみんな元気に育ってくれました。
哺乳瓶を卒業し、自分でご飯が食べられるようになった子猫たちのうち、皮膚病がきれいに治った3匹の子猫は里子に行くことができました。
母猫と残った2匹の子猫は我が家で飼うことにしました。
数年たった今では、子猫のうちの1匹だけが大きくなって残っています。
野良猫に餌をやるのはいけないことなのですが、
我が家の近所には猫の多頭飼育崩壊が2件あり、大量の猫がいます。
飼い主はほぼいないといえます。
しかし、近所の人たちはとても親切で、それぞれの家に居着いた猫を家猫として飼育してくれたり、居着きはしないけれど、ご飯をもらいに来る猫に餌を与えてくれたりしているようです。
我が家でも、多頭飼育崩壊から逃げてきた猫たちに関するストーリーがいくつかありますが、今回はこの辺で。。。
次回は、もう1件の猫の多頭飼育崩壊について書きたいと思います。